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子どもの歯科診療について、当院では以下のように考えて取り組んでいます。
子どもの歯（乳歯）は大人の歯（永久歯）が生えてくるまでの代用品ではありません。
よい状態の乳歯は永久歯の良い道しるべになり、健康な永久歯を育てます。
むし歯などで悪くなってしまった状態の乳歯は
あまり良い道しるべにならないばかりか、時には悪影響まで及ぼします。 |
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このように考えると乳歯は子どもの歯ではなく、じつは永久歯の親のような存在ともいえないでしょうか？
私たちは健康な乳歯を維持することが大切だと考えています。
そのためにはむし歯で悪くなってしまったお子さまの治療を頑張るよりも、むし歯ができにくい環境づくりのお手伝いを頑張ることがより重要なことになります。
下のお話を読んでどう感じられますか？
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もうすぐ４歳になるＡちゃんのお母さんは、ある日Ａちゃんのお口の中に黒い点を見つけました。
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「むし歯かなー？でも痛がってないし。もう少し様子を見てみようかな」
―数ヶ月後。
「あれっ。なんか穴が大きくなってる。急いで歯医者に行かなくちゃ。」
こうしてＡちゃんは生まれて初めて歯医者に行くことになりました。
先生がやってきて、「どれどれ。むし歯がどこにあるか見せてね。」と言いましたが、Ａちゃんは固まってしまいお母さんのそばを離れようとしません。
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それも無理はありません。まわりから聞こえるキーンという騒音、それに見知らぬ大人たちがたくさんいます。
歯医者のいすに座り、お口を開けるという行為は子どもにとって、とてもとても高いハードルなのです。
でも、お母さんは言いました。
「先生、むし歯があるんです。早く治してください。私、この子を頑張って押さえておきますから。頑張れるよね、Ａちゃん。」
でも、Ａちゃんは目に涙を浮かべて今にも泣き出しそうです。
お母さんが歯医者のいすにＡちゃんを寝かせようとしたその瞬間、
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「うわ〜ん。ヤダヤダ。こわいよぉ〜。」とうとう泣き叫びだしてしまいました。
それからというもの、Ａちゃんは歯医者に行くのが怖くて仕方がありません。
お母さんはいやがるＡちゃんを引きずって頑張って何回も歯医者通いをすることになるのでした。
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３歳になったばかりのＢちゃんは、この間３歳児検診で「むし歯ゼロ」と言われました。
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でも、Ｂちゃんのお母さんは少し心配です。
なぜなら、最近おやつをねだって駄々をこねることが多くなり、
ついついおやつを食べさせることが多くなってきているからです。
「やっぱりおやつをたくさんあげると、むし歯になりやすくなるのよね？」
「このまま、むし歯ゼロでいてほしいけど、歯みがきを頑張るしかないのかな？」
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お母さんは、お父さんに聞いてみました。
「俺が通っていた歯医者は、なんかたくさんの子どもの絵や写真が貼ってあったりしたな。一度歯医者で相談してみたら？」
そう言われたお母さんは、次の週に歯医者にＢちゃんを連れて行きました。
先生がやってきて、話しかけました。
「Ｂちゃん。むし歯ゼロなんだってね。すごいなー。先生にＢちゃんのいい歯を見せてくれるかな？」
Ｂちゃんはお母さんの膝の上から降りようとはしませんが、先生に向かってニィ〜っと白い歯を見せました。
「いい歯だねー。じゃあ今日はいつもお母さんにどうやって歯みがきしてもらっているか見せてくれるかな？」
お母さんはいつものようにＢちゃんに歯みがきをしました。
「おっ。じょうずにできたねー。えらいねー。よく頑張ってくれたから、先生があとからごほうびをあげようかな。」
「先生、これでおしまいですか？何か薬を塗ったり、いすに寝かせてチェックしたりしないんですか？」
「お母さん、よく聞いてください……」
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このあと、Ｂちゃんのお母さんはむし歯予防のためにはまず子どもがいやがらず、怖がらずに通えるように 歯医者のスタッフとの信頼関係の構築が必要であること、 親が正しいむし歯予防の知識を身につけること、 子ども一人一人のむし歯リスクを見つけてできるところからリスクを減らしていくことなど いろいろな説明を受けました。診察が終わり、ごほうびをもらったＢちゃんはみんなに笑顔でバイバイしながら「またくるね！」といって帰っていきました。
次の診察日にむし歯チェックをしてむし歯ゼロだったＢちゃんは４ヶ月に１回の定期健診を受けることになりました。Ｂちゃんは笑顔で歯医者に来て、笑顔で帰っていきます。ピカピカの歯でにっこりと…。
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このお話を読んでくださった保護者の方は、
お子さまをＡちゃんのようにしたいですか？
それともＢちゃんのようにしたいですか？
また、ＡちゃんとＢちゃんのどちらが将来いい歯を手にする可能性が高いでしょうか？
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幼児期の歯科治療の記憶が痛くて怖いものだったら、どんな大人になるでしょう？
痛みや不具合を我慢して、やがて我慢できなくなってから、歯医者に飛び込む。
たくさん治療し（たくさん痛い思いをし？）、歯医者に通院するのに疲れ果てて、 ますます歯医者嫌いになってしまう。
結果として、早いうちに歯をなくしてしまう。
そうならないようにお子さまの将来のお口の健康のカギを握っているのは誰でしょう？
「お父さん、お母さん、いい歯に育ててくれてありがとう。」
大きくなったらきっと、そう思ってくれるように むし歯のない健康な永久歯づくりにチャレンジしてみませんか？
私たちが精一杯サポートいたします。 |
さいごに−
私たちは歯科“検”診ではなく、歯科“健”診を行っております。
“検”とは病気を探し出すための検査の意味です。 一方、“健”は健康であること、健康であり続けることをチェックし指導する意味が含まれています。 ですから、当院の定期健診は、むし歯のチェックだけではなく、 歯みがき指導やむし歯にならないための生活指導、フッ素塗布などを行い、 健全な永久歯やきれいな歯並びを手に入れることを目標としています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。 |
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